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「キリコの街」作品紹介
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おもしろい夢を見た日は、いつもいい旅をした気分で日が覚める。夢で出逢った町や人は、現実の世界よりリアルな姿をしているときがある。
ふだん見慣れた街で、そんな景色にばったり出会うことがある。出会った瞬間、体がふわりと軽くなり遠い所に連れていかれそうになる。
そこには、キリコの絵に漂う白昼夢の陰影がある。ピロスマニの絵に出てくる暗がりの月光感覚。絵馬や泥絵にしみついた黄昏世界が見え隠れする。どれも、UFOが現れそうなフラットで静かな景色だ。異界に連なる裂け目のような光景だ。
わたしは、閣が薄まっていく日本の町を彷撞い、記録より記憶の回路に繋がる景色を探し求めた。2002年 (H.14) 2月
中里和人
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